[Cryptocoryne]

ベストな育成環境を探す − ◆害虫駆除編◆



クリプトコリネを水上で育てていると、悩まされる問題として虫の発生があげられる。
大発生に至ると草体自身に深刻な影響を与えることになるので、日ごろから観察を怠らず早期発見と対処が肝要といえる。
 

アブラムシ

クリプトコリネと相性が良いのか?良く発生する害虫。
アブラムシは、群がって寄生し、葉や葉柄から養分を吸うため、葉を黄化させてしまい見栄えを悪くするほか、株自体を弱体化させるなど、油断は禁物です。
春から初夏にかけて多く発生します。秋に発生が多い種もいるようですので注意が必要です。

翅のある雌が飛来する時期は限られている(4月−5月/9月−10月)ようです。

◆駆除◆
完全無農薬でいくなら、まずはテデトールで。
綿棒や書道用の筆などを用いると良く捕れます。
鉢ごとまたは育成ケースごと水没させて駆除するのも良いです。
数日程度なら丸ごと漬けても草体には影響ありません。
新芽の部分や入り組んだ細かいところは丁寧に取り除く必要はあります。。
他にも木酢液スプレーや牛乳スプレーが効くとのことですが、家では試してません。。。

薬剤を使うなら、ベープのようなものをケースの中で焚くか、草体への影響が少ない「オルトラン粒剤」がお奨めです。

スリップス(Thrips)

和名アザミウマ。
美しいクリプトコリネの葉を全て斑入りにしてくれる害虫。
ひとたび浸入を許すと繁殖率も高く、初期症状を見逃すと、あっというまにケース内の全てのクリプトコリネがやられてしまいます。

被害に遭うまで、私はハッキリいって、この虫をナメてました。ハイ。
しかし、とても恐ろしいヤツです。
これと比べたら、アブラムシはまだカワイイです。

我が家では、初期対処を誤り、ひと月あまりで60cmレギュラーサイズx3ケースにも拡大させてしまい、収容していた大半のクリプトコリネが溶けました。矮小化のほかロストした株も結構出ました。
もう、おかっぱ(この呼び方は古いか?)やめようかと思うぐらい、09年夏の被害は甚大でした。

スリップスの食害を受けた葉

スリップスの食害を受けた箇所は組織が破壊され、その被害部位はカスリ状の斑点が銀白色に光って見えることから、シルバリング(Silvering)と呼ばれるそうです。

新芽の展開が妨げられることもあり、放置するとクリプトコリネは致命的なダメージを受けます。

スリップスのさなぎ?

スリップスのさなぎ?卵から成虫までの期間は20日、成虫の寿命は1ヶ月程度といわれる。
= ライフサイクル =
 卵(植物の組織内に埋め込まれる)
  V
 幼虫
  V
 さなぎ
  V
 成虫
我が家で発生したのは黒褐色のやつでした。動きは遅いが、成虫は5メートルぐらい飛ぶそうです。

◆駆除◆
捕殺では駆除が不可能につき、私は「オルトラン粒剤」を使いました。
株元散布で手軽に使用でき、草体にも影響をほとんど与えない優れものです。

症状が発生したケース内の全ての株に散布を行います。
私の場合、状態のひどい株はロスト覚悟で植え替えのうえ、他の健全な株とは別のケースに隔離し様子を見ました。
隣接しているケースも注意深く観察しましょう。
影響拡大防止のため、健全な株元にも散布したほうが良いかもです。

オルトラン粒剤

薬剤は、もちろん使わないに越したことはないのですが、マメにメンテナンスできないなら、予防のために少量使うのもありかもしれません。
アクアライフ別冊増刊号「AQUA PLANTS」2004 No.1[マリン企画]の写真にもヒントがあったのですね。


[2010.05.03]



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