| 「植え替えは、植物にとって相当なストレスをもたらす」 = 調子を崩す恐れがある
   でも、「植え替えは、いつかは行う必要が生じる」
 いつかは植え替えを行わなければならないのなら、必要と感じたら少しでも株の調子が良い・体力があるうちに行ったほうが良いと思いませんか。 
 
 
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    | 植え替えの目安 |  
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	| 子株の発生による株分け 成長による根詰まりの防止、収容鉢のサイズアップ
 用土や育成環境が合わないなど、成長が著しくない場合
 (鉢をそっとあけて根の状態を見てみよう。根が溶けていたり、用土がドブのように臭う場合は、直ちに植え替えしたほうが良いです)
 肥料分など塩類の用土への蓄積回避
 (2-3年のスパンで調子を崩す株が発生するのは、この理由でしょうか?)
 
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       調子をくずし気味のフスカ。ひねくれた葉が展開、新芽の展開が悪い。 |  |  | 
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       葉が密生したcf.プルプレア。新芽も小ぶりとなり苦しそう。 |  |  |  
 
 1.事前準備 
(1)希釈液(培養液)
 
[A]1000mlあたり木作液0.5cc、メネデール1cc、ハイポネックス活力液0.5cc、水または水槽水で希釈したものを適量[B]1000mlあたり木作液0.5cc、メネデール10ccを水または水槽水で希釈したものを適量
 
 (2)素焼鉢(30分以上水に浸しておく) (3)用土(赤玉土、鹿沼土、砂利(桐生砂や川砂、海産砂等)、ピート/腐葉土またはヤシガラ繊維)、水苔(乾燥水苔は一応水で戻しておく) (4)収容ケース(育成初期は照明不要) (5)プラケースまたはECRの準備 (6)タグ(用土の配合比率を変えるなど、複数の植え込みを行なう場合は、用土の内容をタグに記載しておき次回に役立てよう) 
 2.株分け 
(1)取り出し植え替え元の鉢からの取り出しは慎重に、新芽を折らないように、根を不用意に傷つけないように。
 清浄な水または水槽水で洗浄しながら古い用土を落とすと、根のダメージを少なくできる。
 このさい、園芸と同様で全てを綺麗に洗い落とす必要はないです。
 古い用土の一部は新しい用土にできれば混ぜたい。(注:古い用土が腐っているようなら混ぜないこと)
 
 
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       鉢をあけると、根が窒息しそうなほど密生してしまいとぐろ状に。株分けやサイズアップが必要だ。 |  |  
 (2)株分け子株の切り離しや、余分な根を整理する。
 溶けている根は、清浄な水で洗浄しヌメリをとっておく。
 
 
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       【株分け例1】
本来は親株とランナーが繋がっていたはずの子株も根が溶けていたため、先端部を切り落とすことに。
 中央の2株は繋がっていたが右側の株は根塊も含め溶け気味。リハビリへ一直線。勢いのある株を優先に根を切り離してみた。
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 私の場合は、葉数が3枚程度の株や葉長が1cmに満たないような小さな株は、切り離さず親株に付けたままで植え込みを行ってます。切り離した根で成長点が期待できるもの(とげとげがあるもの)や、芽をつけているランナーは、状態の良い水槽に浮かべるか、水苔で包むなどしてECRに収容して増殖を試みよう。
 
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       【株分け例2】幸い溶けは発生していない。密生しすぎてしまった根は、太い根を除き切り離す。
 葉が展開しきっていない子株のランナー(矢印)は切り離さず、親株につけたまま植え込みを行なう。
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 処置が終わった草は、植え込み直前までのしばらく間、希釈液[A]に浸しておきます。 
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     ![希釈液[A]](img/crypt_38_6.jpg)  希釈液(培養液)の漬け込みは、初めての水上育成の植え込みでも有効だと思う。 |  |  ★株分けや植え込みの間、根や葉が極端に乾燥せぬよう気をつけよう!(部屋の湿度に注意し、必要によりスプレーする)
 
 3.植え込み 
切断面は必要により、根腐れ防止としてハイフレッシュなどをふりかける。
 
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       ハイフレッシュ(Hi-Fresh(R))の成分は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウムが主で、植物の植え替えの時の根のストレス緩和、根毛育成に良いとされています。園芸コーナーで売られてます。 |  |  
植え込みは、なるべく根を広げて慎重に、手早く行なう。
 深植えは総じて良い結果をもたらさないと思う。株元の部分(根との境界)をほんの少し用土から出したほうが良いと思われます。(調子を崩している草の多くは、用土にめり込んでませんか、例えばストリオとか(笑))
 
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       鉢底には、根腐れ防止としてミリオンをひきます。 |  |  | 
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       腐葉土を気持ち混ぜたいところ、今回は園芸培養土のココブロックを混ぜてみました。 |  |  | 
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       植え込み完成! |  |  |  植え込み完了時は、希釈液[B]にたっぷりと漬け込みを行い、微塵抜きを何度か行なった後に素早くケースへ収容する。
 
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     ![希釈液[B]](img/crypt_38_11.jpg)  水苔の場合は微塵抜きする必要はありませんが、たっぷり漬け込みは行います。この時、クリプトの葉を希釈液に漬けないよう気をつけよう。 |  |  
 
 4.収容 
植え込み直後から新芽の展開までの間など、しばらくの間は、クリプトのストレスを緩和させるため、照明のないケース(衣装ケース等)に収容し維持管理します。 新芽が展開する/草姿に張りが出るなど、ある程度、用土に馴染んでから照明のある本ケースに収容変更します。 私の場合は、慣らしのケースの腰水は、水槽の水を使用し、1cm未満の低めにしてます。植え替え直後のストレスがかかっている根に対して、酸素不足は良くないのではないでしょうか。
 (成長過程の結果として、嫌気層へ成長点が伸びるのは問題ないと思います)
 
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