[Cryptocoryne]

ベストな育成環境を探す

 − ◆なぜ溶ける − 全溶けを防ぐ◆



クリプトコリネはなぜ溶ける?
環境変化に適応するために、葉を捨て去るなど良く聞きますが本当のところはどうなんでしょうか。

私がこれまで見舞われた「溶け」を考えてみると、確かに環境変化によるものもあるのですが、環境を変えていないのにも関わらず突然の溶けや、お亡くなりもあるんですよね。
まぁこれはたぶん、成長が一旦止まったように見えるときには、既に根が逝ってしまっているからだと思うのですが、本当の原因、要因は何んでしょうかねぇ?

葉先が溶けたウェンティ・ブラウン[水中株]
溶けた葉
よくある「溶け」

溶けるパターンとしては「葉先や葉の淵から」「葉に穴があく」「葉柄から一気に」などあると思いますが後者にいくほどヤバイ症状と思われます。(最悪、根茎までサヨナラしてる場合が!)

根茎が溶けたアポノゲチフォリア[水中株]
溶けた根茎
突然死の真実?

夏場、成長が一旦止まったかに見えた株を掘り起こしてみると、新芽が無事であるにも関わらず実際は根茎が完全に腐敗してしまっている。もうどうにもならない。原因は高水温か?

育成パターンに見る「溶け」発生と外部要因例
水中育成 ・夏場の高水温が続いたとき
・濾過の目詰まり(水流の低下による水質の悪化)
・底床の目詰まり(極度の嫌気状態)
・CO2切れ(もしくはCO2添加器具の汚れや目詰まりによる添加量の低下)
・照明器具の故障など照度の変化
・他の草の溶けに道連れ
 クリプトコリネ同士の伝染に限らず、他の草の溶けにより影響を受ける場合がある
 (例:トニナ属、プロセルピナカ・パルストリス)

水上育成 ・夏場など蒸れが生じたとき
・冬場など異常に冷え込んだとき(結露の水滴落下が影響?)
・植栽時のストレス?(新規導入、植え替え後)
・根詰まり、用土(水苔、腐葉土)の腐敗、極度の嫌気状態
・アブラムシ?などによる食害
・カビ菌による腐敗(株自体が弱っているときなど)

共通的な事項、その他 ・新芽の展開に対し、新陳代謝の落ちた古い葉
・植栽後、しだいに矮小化するなど、結果として育成環境に適応できなかったとき
・不明、突然の「溶け」(結構あるんだよなぁ、これが)
 など

クリプトコリネを状態良く育成するには、この「溶け」のきっかけとなる外部要因をなるべく排除してあげれば良いのですが、避けられないものもあり、また100%「溶け」を抑止することも不可能と思われます。

で、「溶け」が発生した場合は、いかにそれを拡大させない為に行う「封じ込め」(大げさだなぁ)が大切かと思われます。
コツはとにかく早めに「溶け出した患部を取り去る」こと。

水中・水上育成ともにためらわずにどんどん手を入れましょう。


葉先の「溶け」を止めたブローサ[水中葉]
カット例1

葉の先端部など溶けが発生した場合は、鋭利なハサミで溶けている箇所を残さぬよう完全に切り取ってしまいます。
吸出しや指でヌメリを取る方法よりも大変効果的です。
ズルズルの葉を乱暴に引っぱったらイモまで抜けてしまった(汗)なんてことありませんか?
 
水上育成の場合も指で取り去るよりハサミでの切り取りが良いです。
その他、ティッシュやトイレットペーパーなど水分をよく吸収する紙を紙縒り(こより)状にして、溶けている部分をピンポイントで取り除くのも良いかと思います。 (ピンセットで紙縒りを扱うことで、入り組んだ場所や余分な水分を取り除くことが容易になります)
カット後に新芽を展開するヒュードロイ[水中葉]
カット例2

葉の大部分に溶けが発生した場合は、葉柄の部分から切り取ってしまいます。
葉柄がまだしっかりしている場合はあまり根元に近いところでカットしないように気をつけましょう。新芽が隠れていることがあります。
この新芽の展開は同じサトイモ科の水草であるアヌビアス系と似てますよね。



| Home | Cryptocoryne Top | 育成方法 |